Q&A知恵袋

家づくりの虎の巻~理想の暮らしを描いたその後に~

理想の暮らしを描いたら、まずライフプランに落とし込む

さあ、理想の暮らしが描けたところで、さっそく不動産屋さんで土地探し‥‥には行かないでください。
土地探しをしたり住宅メーカーを調べる前に、今度はライフプランを考えましょう。

ライフプランづくり 基本の考え方

結婚、出産(20~30代) 住宅購入、第一子誕生、教育資金(30~50代) セカンドライフ、相続(50~70代)

ライフプランの立て方

STEP1 どんな人生・ライフイベントを迎えたいか考える STEP2 ライフイベントを迎えるのに必要な資金を知る STEP3 現在の収支を把握し、理想の人生を送るためにいくら足りないかを知る

こうしたライフプランは、保険会社さんでも作ることがあります。 しかし、ここで言うライフプランは保険のためではなく、家を建てるためのライフプランです。単純にどれだけお金がかかるかを見える化するわけではありません。
「どんな家で」という観点を盛り込んだキャッシュフロー表を作っていきます。

そうやって作って初めて、理想の暮らしを実現するマイホームの総予算や老後資金などが見えてきます。

ライフプランニングで見落としがちな2つのポイント

~その1~今の生活費がそのまま新しい家に当てはまるとは限らない

引越し前:アパート暮らし

電気代1ヶ月1万円

引越し後:戸建て

電気代1ヶ月4万円

仮に現在アパート暮らしだとして、光熱費が毎月1万円だったとします。
ところが、それを戸建てのお家に適用するわけにはいきません。

それは、2LDKのアパートと、15畳のリビングがある2階建ての家では、使う冷暖房装置の種類や数も違うし、断熱材や外壁の種類、太陽光パネルの有無などでも光熱費が変わってくるということです。
例えば、高断熱・高気密、省エネ住宅で太陽光パネルありの場合、家の価格(=月々のローン返済額)は高くなる一方で、電気代は0円かもしれません。
逆に、比較的安い建売住宅では、家の価格は低い反面、電気代が4万円になるかもしれません。

どんなお家にするかによって、ライフプランはいくつかパターンがあります。
さらに、単純に今のお家での生活費を適用して考えられない理由は、それだけではありません。

注意

注意ポイント

家が変わることで、電気代が高くなったり、逆に太陽光発電の導入でほぼ無料になったりするケースも。
いずれも引っ越し前と後で電気代を始めとする各種料金が引っ越し前後で変わる可能性があることが見落とされがち

~その2~ランニングコストを正しく試算する必要がある

皆さんは、お家の外壁材にはどんな種類があるかご存知ですか?
実は外壁それぞれによって、初期費用もメンテナンス費用も異なります。

# 窯業系サイディング # モルタル # タイル
初期費用 40万円~70万円 50万円~90万円 100万円~200万円
メンテナンス周期 7年~15年 7年~15年 目地なしなら
メンテフリー
メンテ費用 80万円~150万円 80万円~150万円 無し
※いずれも30坪目安での数値です。

外壁材一つとっても、初期費用とランニングコストにこれだけの差があります。
一般的に初期費用が高いものは、20~30年の長期スパンで見るとランニングコストは安い傾向にあります。

例えば、耐久性の高いタイルで建てると、最初にお金がかかりますが、メンテナンス費用をほぼゼロにすることができます。
一方でモルタルの場合は、初期費用は抑えられますが、メンテナンス費用が10年ごとに150万円(30年でメンテ費450万円)かかることもあります。

それらの積み重ねの結果、初期費用は安い家が、20年後にランニングコストも含めてみると、実は高いなんてことも…!

初期費用と20年後の費用が逆転する例も…

初期費用、建築費2500万を2000万に抑えられたとしても
ランニングコストが当初400万の家が20年後、1200万円もかかるかもしれません
注意

注意ポイント

初期費用が安くとも、人生を通して本当に安いとは限りません。
専門家の力を借りて、長期的な目線で家にかかるコストを考える必要があります。

どの家をどう建てたら、ランニングコストがどうなるのか。
建てた家や状況によって異なることを前提に、ライフプラン作りでは、その家庭ごとの住居費を将来にわたって正確に入力する必要があります。
もちろん、住居費だけでなく光熱費等も正確に入力する必要があります。

住宅のランニングコスト例

  • ・電気代
  • ・ガス代
  • ・水道代
  • ・各種修繕補修費用

ランニングコストに影響のある要因

  • ・外壁の素材
  • ・太陽光パネルの有無
  • ・断熱材の種類
  • など

これらの家に関わる費用は、知識がなければ正しく入力するのは至難の技。
ですので、ライフプランは住宅建築に詳しい人と一緒に作ることで、正しい予算と現実的な老後資金が見えてくるのです。

家づくりと土地探しはセット

「先に土地だけ買ってその後で家を考えよう!」とおっしゃる方がいますが、そこの土地では理想のお家を建てられなかったと後から判明することに繋がるのでオススメしません。

家づくり計画と土地探しは必ずセットで進めましょう。

理想の暮らしの棚卸しと将来設計が前提

一般論として、土地探しをする場合は次のような探し方をする人が多いです。

#

物件情報サイトで検索

#

不動産屋さんのサイトや
チラシをチェック

#

住宅情報誌をチェック

この時に、自分にとっての「良い土地」の基準があることが大切です。
数ある土地の中で、どれが買いなのか。
その場所やその街でいいのか。
駅近だけど狭い。スーパーは遠いけど、小中学校が近い。
どれも一長一短です。100点満点の土地を探していると、残念ながら土地探しは永遠に終わりません。

そのため、何が優先なのか。どこをどの程度妥協できるか。
といったことを判断する基準として、将来設計がされていることが前提であり、理想の暮らし方の棚卸しが重要なのです。

一人ではできないこと、二人三脚と土地探し
先ほど、土地探しの3つの方法をあげましたが、実はおススメは、

住宅メーカーや工務店の担当者と一緒に探す

という方法です。

将来設計に合わせて、どの街の土地を買うか決めます。
そして、その街の今出ている土地を探す。
ここまでは一人でも大丈夫ですが、見てみたい土地が見つかったら、不動産屋さんに連絡せずに、住宅会社の担当営業マンに連絡しましょう。

いきなり不動産屋さんに行かないのは、致命的なトラブルを避けるためでもあります。
※トラブル事例参照(リンクを貼る予定)

繰り返しになりますが、それでも駅が近く、スーパーも近く、治安も良くて、広くて、日当たりがよくて、安いという100点の土地はありません。
70~80点で充分良い物件です。

ただし、そうした物件はすぐに表に出さず、最初は住宅メーカーや工務店にしか教えないことも多くあります。

だからこそ、住宅メーカーや工務店と一緒に探すということが大事になってきます。
もちろん、特定の住宅メーカーや工務店をまだ決めていない、という場合もありますので、そういった場合はぜひ住宅建築コーディネーターへご相談ください。

住宅ローンは変動金利と固定金利の2タイプ

不景気が続くなら変動金利

ライフプランを作り、土地を探したら、次は住宅ローンのことを考えましょう。
住宅ローンは、大きく分けると変動金利と固定金利の2タイプに分けられます。

まずは変動金利からみていきましょう

メリット
・現在は当初の金利が低い
・景気が悪い時期が長く続けば返済総額が安くなる
デメリット
・景気が良くなると金利が上昇し返済額が増える
・金利変動リスクがあるので返済計画が立てにくい
・未払い利息が発生する可能性がある
こんな人に
おすすめ
・今後も不景気が長く続くと考える人
・返済資金に余裕がある人
・短期間での完済を前提としてローンを組む人
・金利変動を常に管理できる人

要するに、
「これからまだまだ不景気になって、金利がどんどん下がりそうだぞ。
よし、金利が低いうちにさっさとローンを返しちゃおう!」
という人向けの金利タイプです。
しかし、現在日本では政策金利(日銀が他の銀行に貸す時の金利)がマイナスになる、「マイナス金利」が長く続いています。
たしかに、現在は住宅ローン金利が低いですが、低すぎるとも言えます。

短い期間で完済できそうならおすすめですが、そうでなくて金利変動のリスクに耐えられない可能性がありそうなら、次の固定金利のほうが良いかもしれませんね。

返済計画に余裕がないなら固定金利

メリット
・景気が良くなっても金利は上がらない
・返済額が決まるので返済計画が立てやすい
デメリット
・変動金利に比べると当初の金利が高い
・低金利が続くと返済総額は変動より高くなる
こんな人に
おすすめ
・今後、景気は良くなると予想する人
・返済額が変動しないことを希望する人
・返済計画に余裕がない人
・長期間での返済を予定している人

住宅ローンでよく聞く「フラット35」もこちらのタイプです。
変動金利よりも借入時の金利は高く設定されていますが、フラット35であれば35年間同じ金利です。
そのため、返済総額はいくらか多くなっても月々の返済を抑え、毎月決まった金額を返済していきたい方にはこちらがおすすめです。
また、景気が良くなり政策金利が上がって(利上げが起こって)、住宅ローン金利も上がっていったとしても、最初に決めた金利のままです。これから景気が良くなる見通しがあれば、こちらの方がお得かもしれません。

ここまで変動金利と固定金利についてご紹介してきましたが
変動金利:金利上昇のリスクを借り主が背負う
固定金利:金利上昇のリスクを国(貸し主)が背負う、そのためそのリスクに備える分、当初の金利は変動金利より高い
とまとめることができます。

自分にはどちらが合うのだろうなど、疑問があれば、ぜひ住宅メーカーや工務店の営業マンや私たち住宅建築コーディネーターに相談してみてください。

どちらを選ぶかは、ライフプランから考える

ローン返済時にどちらの金利を選ぶかは人それぞれですが、大切なのはそれが理想の暮らしやライフプランに則ったものであること。

これからもっと景気が悪くなりそうだから、変動金利にしておこう
とか
金利が低いうちに固定金利にしよう
ということでは、必ずしも自分に合った返済計画にはなりません。

理想の暮らしやライフプランは、自分ではなかなか作れないものでした。
そして、この住宅ローンの仕組みも普通の人では馴染みのない用語や考え方も多くあります。
ですので、まずは担当の営業マンに相談して、ワンチームで家づくりをしていくことが大事なんです。

もちろん私たち住宅建築コーディネーターも、あなたを支える味方の一人です。
小さなことでも何か疑問に思ったり、興味があればぜひご相談ください。

よくある質問コーナー

住宅建築コーディネーター協会には、日々、みなさまからの家にまつわる質問が寄せられています。

こちらの#よくある質問
にて少しずつ記事を投稿していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。