家づくり最初の一歩
COLUMN
知らないと損するかも?建築基準法の改正で変わった【採光基準】
こんにちは!
今回は、「採光基準」についてのお話を、住宅建築コーディネーターの藤原さんに伺います。
(協会スタッフ)
2023年4月に建築基準法が改正され、採光基準が変わったと聞きました。
(藤原さん)
そうですね、法改正により、採光基準がこれまで、 「採光する窓面積と比較して、床面積は7倍以上」 だったのに対し、 「一定の条件を満たせば、床面積は10倍以上でOK」 となりました。
(協会スタッフ)
家を建てる方にとってはどのような点で影響が出るのでしょうか?
(藤原さん)
LDKの住宅では、採光基準を満たして設計しなければなりません。
そのため、希望の間取りがあったとしても、採光基準を理由に実現できない、ということもあるのです。
具体例を挙げてみましょう。
これは実際に私が対応した案件です。
昨今人気の高い「スケルトン階段」ですが、その住宅では、一昔前なら階段という吹抜けの上部に窓をつけても採光検討できる窓として取り扱いできていました。
しかし、最近では階段上の窓は吹き抜けであっても採光検討に採用できなくなっています。
そこで階段の下に窓をつけて、採用できるか審査機関に確認しました。
この窓位置について、一つの検査機関では基準を満たせないため回答は不可。
しかし他の審査機関では採用OKでした。
その結果を受けて、私は新しい採光基準(10倍の基準)を元に考えれば、採光に採用できる窓が少なくても、お客様の希望の間取りが実現可能なのではと思い、採光計算を行い、基準をクリアしました。
実際には、とても明るい家ですが、建築基準法の採光基準は採用できない窓もあるのです。
他にも
A審査機関ではNG
B審査機関ではOK
のような事例は他にもたくさんあります。
3階建ての【敷地内通路の規定】(避難経路)でも、
A審査機関NG
B審査機関NG
C審査機関OK
という事例もありました。
内装制限の考え方も審査機関により違いがありました。
このような状況にあるため、お客様の希望実現の為に可能な限り最善を尽くすようにしています。
(協会スタッフ)
検査期間によって、結果が変わることがあるんですね!
(藤原さん)
そうなのです。
検査機関によって基準が違うため、一つの検査機関でNGだったとしても、諦めない方が良い、ということはぜひお伝えしたいですね。
この採光基準への改正は2023年の4月に実施されましたが、現時点でもこのことを知らない設計士はかなり多いと思います。
建築基準法というのは、随時改正が行われます。
「知らない」ということでやりたいことを実現できないのはもったいないので、ご自身の知識もアップデートしながら、ぜひ夢のマイホームを叶えてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
よく読まれている記事
COLUMN